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右ひじの内側と右肩前側の痛み
治療・リハビリ前の状態
ご利用者様:10代 男性
右ひじの内側と右肩の前側に痛みがあるというお悩みのご相談でした。野球でボールを投げた後に痛みが強くなり、投げ続けることが難しくなるとのこと。検査の結果、「右投球障害肩および右野球肘」と診断し、リハビリを実施することとなりました。
治療・リハビリの内容
- 初期
- 物理療法(電気治療や温熱など)で炎症や痛みをやわらげる
- 肩の後ろの筋肉(棘下筋〔きょくかきん〕や小円筋〔しょうえんきん〕)のこわばりをほぐす手技(リリース)
- 肩や背中の筋肉(棘下筋・広背筋)を伸ばすストレッチ
- 小指や薬指の曲げる力を鍛えるトレーニング(握力や指の安定性の強化)
- 肩甲骨を安定させるための前鋸筋〔ぜんきょきん〕のトレーニング
- 投球フォームの修正(肩甲骨の動き、足の使い方、体重のかけ方などを見直す)
朝と夜、1日2回のストレッチやトレーニングを継続できるようにサポートしました。
- 後期
- 肩の後ろ側や背中の筋肉(棘下筋・広背筋)をほぐすセルフマッサージやストレッチ
⇒投球時の肩の動きをスムーズにし、痛みの予防につなげます。 - 肩甲骨を支える筋肉(前鋸筋)のトレーニング
⇒肩の安定性を高め、よりスムーズな投球動作をサポートします。 - 投球時の下半身の使い方や体重移動をスムーズにするトレーニング
⇒下半身と上半身の連動を改善し、肩や肘への負担を減らします。
治療・リハビリ後の状況
右ひじの内側と右肩の前側の痛みはだいぶ軽くなり、全力で投げることができるようになりました。投球で大切な「肩を大きくひねる動き」もしっかりできるようになり、体重移動や上下半身の連動もスムーズになってきました。その結果、投球時に右肩やひじへかかる負担も少なくなっています。
肩を外にひねる動きはまだ少し硬さが残っているため、今後も肩の後ろ側の筋肉を伸ばすストレッチなど、自分で行うエクササイズを継続していくことが再発予防に大切です。-
治療前の投球動作
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治療後の投球動作
治療・リハビリ担当者の声
ボールを投げる時に痛みが出ていたため、投球動作に注目してリハビリを進めてきました。特に肩甲骨まわりの動きがかたくなっていたので、柔軟性を高めるストレッチを中心に指導。さらに、肩甲骨を安定させる前鋸筋〔ぜんきょきん〕や僧帽筋〔そうぼうきん〕下部のトレーニング、体をしっかり支える下半身のトレーニングにも取り組みました。痛みが軽くなった後も、再発を防ぐために定期的なリハビリと自宅でのセルフエクササイズを続けていただくことをおすすめしています。
患者様からの声
初めて野球肘になってしまって、とても不安な気持ちになっていたのですが病状やリハビリの経過に合わせながら毎回メニューを考えてくださり丁寧に楽しくリハビリができたのでとても感謝しています。
身体の使い方を教えていただき、とても勉強になりました!